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『経済丸わかり〜公認会計士が教える使える知識』
2013/01/14
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こんにちは。
今年は寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
アカウンティング・インテリジェンスの望月実です。
ソニー、パナソニック、シャープなどの日本を代表する電機メーカーの
業績が芳しくなく、赤字決算となっています。
最近の電機メーカーの業績は芳しくありませんが、
日本企業はまだまだ世界有数の技術力を持っています。
そこで、今回はシャープの経営と技術力というテーマでお話ししたいと思います。
1.シャープの経営
シャープの2012年3月期の数字を見ると、売上高は2兆4,559億円ありますが、
営業損失が375億円、当期純損失が3,761億円と大きな赤字となりました。
当期純損失が3,761億円と大きな赤字になったのは、
大型液晶操業損失や事業構造改革費用などの特別損失を1,860億円、
繰延税金資産の取り崩しにより法人税等調整額を1,155億円計上したことなどによります。
シャープはこのような状況を改善するために、
不採算事業である大型液晶事業をシャープから切り離し、
鴻海グループと共同経営を行う堺ディスプレイプロダクト株式会社に
移管することによってコストダウンを図っています。
しかしながら、2012年11月1日に発表された2013年3月期の業績予想の数字は、
売上高2兆4,600億円、営業損失1,550億円、当期純損失4,500億円と、
いぜんとして厳しい数字となっています。
シャープの決算数値や業績予想についての詳しい情報を知りたい方は、
下記のページをご覧下ください。
シャープ投資家情報
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/index.html
2.シャープの技術力
シャープの一番の主力製品は液晶であるため、
最近注目されているIGZO液晶について説明したいと思います。
シャープは世界で初めて、酸化物半導体を採用した高性能なIGZO液晶の生産を
2012年3月から亀山第2工場で開始しました。IGZOの名前の由来は、酸化物半導体を構成する、
In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)、O(酸素)の頭文字から取っています。
IGZO液晶は画像が美しいだけではなく、ディスプレイ消費電力を5分の1から10分の1に減らすことができ、
タッチパネルとしての感度も高いという特徴があります。
そのためドコモやAUから発売されているスマートフォンやブレット端末に利用されており、
2013年3月にはソフトバンクからもIGZO液晶を使ったスマートフォンが発売予定となっています。
また、それ以外にも業務用の32型の液晶ディスプレイも発売される見込みです。
2013年1月11日の日経新聞によると、
12月のスマートフォンの販売台数はアップルの「iPhone5 32GB」を押さえ、
第1位がシャープの「AQUOS PHONE ZETA」となっています。
「AQUOS PHONE ZETA」の1番の売りは1度の充電で長時間使用できることで、
従来機種の2〜3倍の使用が可能となりました。
アップルやサムスンなど業績の良い電機メーカーは、
スマートフォンやタブレット端末で大きく稼いでいます。
IGZO液晶を使ったスマートフォンやタブレット端末がヒットすることによって、
シャープの業績が改善すればと思います。
IGZOについてもっと詳しく知りたい方は、下記のページをご覧下さい。
IGZO紹介ページ
http://www.sharp.co.jp/igzo/
「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」のバッテリーはどれだけ持つ?──IGZOの実力を検証
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1212/14/news003.html
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
寒い日が続きますが、お体ご自愛下さい。
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