1.日本は本当に資本主義か?(Side−B)
2.メルマガ紹介〜 2誌ご紹介
3.お勧めの会計入門書
4. 編集後記
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こんばんは。
アカウンティング・インテリジェンスの望月です。
前回のメルマガでは、なぜ日本の資本主義と欧米の資本主義が
異なっているのかというお話をさせていたただきました。
以前の日本の資本主義は欧米の資本主義よりも
人に優しいシステムでしたよね。
今回はなぜ、日本の資本主義が欧米型に近づいてきたのかという
お話をさせていただきたいと思います。
1.日本は本当に資本主義か?(Side−B)
バブルが崩壊するまでは、日本企業は
グループ会社間でお互いに株式を持ち合っていました。
また、必要な資金については、グループの銀行から
簡単に借りることができました。
しかし、バブルの崩壊により、状況は変わりました。
余裕がなくなった銀行や企業は、
グループ会社の株式を市場で売却せざるを得なくなりました。
市場で売却された株式は、
外国人投資家や日本の個人株主に購入されました。
ここで、日本の企業の株主構造が変化してきました。
今までは、発行済み株式の大部分をグループ会社間で持ち合っていたため、
従業員に都合の良いように企業経営を行うことができました。
これに対して、外国人投資家や個人株主のようなグループ外部の人間が
発行済み株式の大部分を持ようになると、以前のようには
従業員に都合の良いように企業経営を行うことはできなくなりました。
当然ですよね。あなたが株主だったら、
給料が高く福利厚生が充実している企業が
ほとんど利益を上げていなかったら
文句を言いたくなりますよね。
また、企業が銀行からお金を借りる際にも、
会計の数字が重視されるようになりました。
簡単に説明すると、会計数値がかなり悪化している
企業に対しては、銀行がお金を貸した瞬間に
貸した金額が不良債権としてカウントされてしまいます。
そのような状況では、銀行もお金を貸す時には、
企業の財政状態に注目せざるを得なくなりました。
企業は従業員の給与の削減や保有している保養所等の
直接的には利益を生み出さない資産の売却を行い、
少しでもコストを削減するように努力しました。
その結果として、利益は計上されるようになりましたが
そこで働いてる従業員に取っては厳しいものになりました。
ここまでを考えると昔は良かったという
結論になってしまいますよね。
一方、今の方が良い点もあります。
それは、雇用の流動化が進んできたことです。
以前は、中途採用はあまりなかったため、
有名企業に入るためには、
新卒で入らなければなりませんでした。
しかし、現在は有名企業と言えども、生き残っていくために
どんどん中途採用を行うようになりました。
外部でも通用するスキルを持っていれば、
好きな企業に転職することはそれ程難しいことではありません。
頑張っている人にとっては、昔よりも選択肢が増えている点は
現在の方が良いのではないでしょうか。
このように最近は、株主利益を重視する点や、
雇用の流動化が進んできたという点で日本の資本主義は
欧米の資本主義に近くなってきました。
次回は、企業が効率的な経営を行っているか否かの
代表的な指標であるROEについてお話しする予定です。
005ROEが高い会社は良い会社か(Side−A)
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上場企業の業績と景気の関係(Side-A)後編
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上場企業の業績と景気の関係(Side-B)後編
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