簿記を会計と一緒に学ぶと、使える会計と簿記をマスターできます
     

『経済と経営と会計がよく分かるメールマガジン』 
                   Vol.10 2005/8/11

簿記を会計と一緒に学ぶと、使える会計と簿記をマスターできます

 

1.エンロン問題は年金問題?(3)
2.マネープランの大切さ
3.ブログを作りたいと思っている方へ
4.メルマガ紹介
5.編集後記

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●このメルマガの内容は・・・

自分の頭で考えようとすることが、
スキルアップをしていく上で一番大切なことですよね。

なぜなら、自分の頭で考えながら覚えたことは、
必要な時にすぐ使えるからです。

そこで、このメルマガのテーマは具体的な一つの答え(知識)を
説明するだけではなく、一つの事実(常識)を複数の観点から
見て何かに気づいていただくというものです。

このようなメルマガですが、
今後もお付き合いしていただければ嬉しいです。

バックナンバーは、こちらからご覧になれます。

http://ac-intelligence.jp/mainpage/meilmagazine1.htm

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http://www.mag2.com/m/0000153671.html

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こんにちは。
アカウンティング・インテリジェンスの望月です。

最近とても暑かったのですが、
本日の東京地方はあまり暑くならず、過ごしやすい一日でした。
これで暑さも峠をこしたのでしょうか。

 

前回のメルマガでは、確定給付年金に隠されたリスクの
説明させていただきました。

確定給付年金では会社が従業員の年金の保証をしているので、
会社の業績が悪化した場合は、
従業員に対して予定通りの年金が支払われないというリスクがあります。

それに対して、確定拠出年金は、
常に個人別に資産残高を把握することができ、
企業の業績が悪化したからといって減額される心配はありません。

 

しかし、エンロンは確定拠出年金(401K)を採用していたのにも関わらず、
業績の悪化により従業員の年金資産が壊滅的なダメージを受けました。

なぜそのようなことが起こってしまったのでしょうか?

その答えを今回説明させていただきます。

1.◆◆◆エンロン問題は年金問題?(3)◆◆◆

エンロンは確定拠出年金を採用していたのにも関わらず、
会社の破綻によりの年金資産が壊滅的なダメージを受けた理由は、
年金資産の大部分をエンロン株で運用していたからです。

なぜ、年金資産の大部分をエンロン株で運用していたのでしょうか?

それは、次のような理由によります。

多くの米国企業では、経営者に多額のストックオプションが与えられます。
ストックオプションとは、
あらかじめ決められた価格で株式を買う権利のことです。

決められた価格で株式を買うことができるので、
当該金額より市場で高く売れれば差額が利益となります。
従って株価が上がれば上がるほど、儲けが大きくなります。

株価を上げるためには、多くの人に株を買ってもらう必要があります。
そのため経営者は、従業員が確定拠出年金で運用する資産を選択する際に
エンロン株を買うことを推奨したと言われています。

従業員にとってもエンロン株を購入することはハッピーでした。
エンロンの株価が上昇するにしたがって従業員の年金資産も
加速度的に増加していきました。

しかし、幸せな時間は長くは続きませんでした。

エンロンの不正会計が発覚したため、
2001年10月16日には33.84ドルあった株価も
2001年12月3日には0.4ドルに下落してしまいました。

これによりある従業員の年金資産は、
エンロン株が高かった時には130万ドル(約1億4千300万円)ありましたが、
最終的には8,000ドル(約88万円)になってしまいました。

 

 

会社の従業員になるということは、
会社からの収入で生きていくことになります。
従って会社の業績が悪化したら、
自分の生活に大きな影響を与えます。

 

そのような状況で年金の資産まで自社株で運用するというのは
大きなリスクになります。

自社の株式以外の資産で運用していればリスクは分散され、
例え会社の業績が悪化したとしても年金資産を守ることができます。

これからは自分の資産は、
自分の頭を使って守っていかなければならないようですね。

 

さて、日本の国債残高が大きな問題となっています。
アルゼンチンでは、国債がデフォルトしてしまいましたが、
日本は大丈夫なのでしょうか。

ちなみにデフォルトとは債務不履行、
すなわち貸したお金が返済されなくなることです。

次回から数回にわたって国債をテーマにメルマガを発行していく予定です。

題して「日本はアルゼンチンを笑えるか」です。

お楽しみに。


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