簿記を会計と一緒に学ぶと、使える会計と簿記をマスターできます
     

『経済と経営と会計がよく分かるメールマガジン』 
                   Vol.14 2005/9/7

簿記を会計と一緒に学ぶと、使える会計と簿記をマスターできます

1.郵政民営化とは何か(3)
2.弁護士がこっそり教える絶対に負けない議論の奥義
3.メルマガ紹介
4.編集後記

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こんにちは。
アカウンティング・インテリジェンスの望月です。

小泉さんが「郵政民営化」と大きな声で言っていますが、
「郵政民営化法案」が何を目指しているかあまり伝わってきません。

そこで、「郵政民営化」を次のようなテーマに分けて
分かりやすく説明することにしました。

 
1.郵政民営化のしくみ
2.郵政公社の財政状態はどうなっているのか
3.郵政民営化で何が変わるのか
4.大きな政府と小さな政府

 
9月11日の選挙に間に合うようにメルマガを発行しますので、
このメルマガを「郵政民営化」が分からないと感じている方に
教えていただけると嬉しいです。

それでは今回は、「3.郵政民営化で何が変わるのか」について
説明させていただきたいと思います。

なお、このメルマガは経済のニュースで話題になっている
「郵政民営化」について分かりやすく解説を行うという趣旨であり、
特定の政党を応援するという意図はありません。

「郵政民営化」について、賛成、反対等の判断はご自身で行って下さい。

その点をご了承いただける方のみ、この先をお読み下さい。

1.◆◆◆郵政民営化とは何か(3)◆◆◆

郵政公社が民営化することによって、どう変わるのでしょうか。

それでは、各事業会社について説明していきます。

 

(1)窓口ネットワーク会社

郵便局は全国に約24,700局あります。
これは、郵便局という看板を掲げたチェーン店とも考えられます。

ちなみに、コンビニ最大手のセブン・イレブンが約1万店舗で、
全国のコンビニ総数は約3万9,000店舗です。

現在は公社であるため、「日本郵政公社法」によって行える業務に制限がありますが、
民営化後には金融商品の販売や旅行代理店、小売サービス、介護サービスや
ケアプランナーの仲介サービス等地域と密着した幅広い事業分野への進出が可能になります。

なお、今年の10月には郵政公社でも投資信託を販売できるように
「日本郵政公社法」が改正される予定です。

 

(2)郵便事業会社

手紙やはがきなどの通常郵便物は、電子メールの普及および
民間メール便への移行等によって年々減少しています。

確かに電子メールを使えば、ほとんどコストをかけずに
多くの顧客にDMを送ることができますよね。

民営化後は今まで以上に、国内、国際物流に力を入れていく方向へ進んでいくようです。

 

(3)郵便貯金会社

民間金融機関と同様に、銀行法等の一般に適用される金融機関法令に基づき業務を行います。

つまり、金融庁の検査を受けることになりますし、新規契約部分については政府保証がつかないため、
預金保険機構に加入し「保証料」を支払う必要があります。

 

(4)郵便保険会社

 

民間保険会社と同様に、保険業法等の一般に適用される金融機関法令に基づき業務を行います。

つまり、金融庁の検査を受けることになりますし、新規契約部分については政府保証がつかないため、
生命保険契約者保護機構に加入し「負担金」を支払う必要があります。

 

ここまでは、民営化の内容についての説明をしました。

ここからは、もっと根本的な「民営化」の意味を考えてみたいと思います。

民営化というのは一つの手法にすぎず、
民営化を行えばすべての問題が解決する訳ではありません。

民営化することのメリットは、今まで以上に改革のスピードが上がることと、
金融庁の検査を受けることによって今まで以上に厳密な情報が開示されることが期待できる点です。

その結果、今まで水面下にあった色々な問題も明らかになってくると思います。

つまり、民営化というのは今後より効率的に郵政事業を行っていく上での
スタートラインにすぎません。

だから前向きに考えて、今後も議論を行っていく必要があると思います。

 

また民営化反対の意見の中で、民営化されたら今までどおりの
ユニバーサルサービスが行われないのではないかというものがあります。

ユニバーサルサービスとは、郵便や電気等の生活に欠かせないサービスを、
適切な条件で、全国どこにおいても公平かつ安定的に提供することを言います

NTTや電力会社は民営化されていますが、ユニバーサルサービスを行っています。

また、「ヤマト運輸」は完全な民間企業ですが、全国に宅配便を配達しています。

従って民営化されたら、ユニバーサルサービスが行えなくなるという
ことはないと思います。

 

郵政民営化基本方針の中には、ユニバーサルサービスを行って行く上で
必要な場合には、優遇措置を設けると記載されています。

今後郵政民営化の詳細な制度設計が行われることになりますが、
その際に、ユニバーサルサービスを守る方法を具体的に
国民に対して提示する必要があるのではないでしょうか。

 

それでは次回は「大きな政府と小さな政府」という観点から
郵政民営化を分析していきたいと思います。

 


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