簿記を会計と一緒に学ぶと、使える会計と簿記をマスターできます
     

『経済と経営と会計がよく分かるメールマガジン』 
                   Vol.15 2005/9/9

簿記を会計と一緒に学ぶと、使える会計と簿記をマスターできます

1.郵政民営化とは何か(4)
2.マネープランの大切さ
3.メルマガ紹介
4.編集後記

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こんにちは。
アカウンティング・インテリジェンスの望月です。

小泉さんが「郵政民営化」と大きな声で言っていますが、
「郵政民営化法案」が何を目指しているかあまり伝わってきません。

そこで、「郵政民営化」を次のようなテーマに分けて
分かりやすく説明することにしました。

 
1.郵政民営化のしくみ
2.郵政公社の財政状態はどうなっているのか
3.郵政民営化で何が変わるのか
4.大きな政府と小さな政府

 
9月11日の選挙に間に合うようにメルマガを発行しますので、
このメルマガを「郵政民営化」が分からないと感じている方に
教えていただけると嬉しいです。


それでは今回は、「4.大きな政府と小さな政府」について
説明させていただきたいと思います。

なお、このメルマガは経済のニュースで話題になっている
「郵政民営化」について分かりやすく解説を行うという趣旨であり、
特定の政党を応援するという意図はありません。


「郵政民営化」について、賛成、反対等の判断はご自身で行って下さい。

その点をご了承いただける方のみ、この先をお読み下さい。



1.◆◆◆郵政民営化とは何か(4)◆◆◆


「郵政民営化」によって「小さな政府」を実現しようとしています。

「大きな政府」と「小さな政府」ってなんなのでしょうか?

最初に「大きな政府」と「小さな政府」について簡単に説明します。


「大きな政府」とは、多くのサービスを政府が国民に提供する代わりに、
国民が高い税金を負担しなければならない政府を表しています。
多くのサービスを政府が提供すると
国民の生活が安定するというメリットはありますが、
そのコストを負担するための税金が高くなってしまうのがデメリットです。



その反対に「小さな政府」とは、民間でできることは可能な限り民間で行うため、
「大きな政府」よりは税金が低くなるというメリットがあるものの、
国民の生活に対する保証も低くなるというデメリットがあります。



さて、現在の日本は「大きな政府」でしょうか。

それとも「小さな政府」でしょうか。


勘の鋭い方なら気づいたと思いますが、
現在の日本は国としてのサービスは「大きな政府」で、
国民の負担は「小さな政府」という、とても都合の良い状態なのです。
大きな出費と小さな収入との差額は国民からの借金である国債等の
公的債務によってまかなわれています。



それでは実際の数字を見てみましょう。

平成17年の予算を見ると、税金等の収入が約48兆円なのに対して
支出は82兆円になっており、差額の34兆円は国債でまかなっています。

毎年の予算が赤字のため等の理由により、公的債務は年々増加し、
平成17年3月末現在の公的債務残高の内訳は、
国債約626兆円、その他借入金等213兆円の合計839兆円になっています。



数字が大きすぎるとイメージが沸かないと思いますので、
年収480万円のサラリーマンを例にして説明したいと思います。

年間の収入は480万円ですが、支出が820万円あります。
(支出には、借金に対する利払い、元金の返済も含みます。)
その結果平成17年3月末現在の借金の金額は8,390万円になりました。


現在は低金利なので、なんとか借金の利息を返していくことができますが、
仮に平均金利が4%になったとしたら、利息の支払額が8,390万円×4%=336百万円となり
収入のほとんどが借金の返済に使われてしまうので、このままでは破綻してしまいます。




貯金をしている側から考えてると、利息の上昇は嬉しいことですが、
借金を抱えている国から見ると大変なことになってしまいます。


利息が上昇するということは、インフレ傾向にあり税収も増加すると考えられますが、
利息の増加分をカバーする程税収を増加させるのは難しいような気がします。



しかし、国は借金だけではなく資産も持っていますので、
資産の金額が正しく評価されているのならば、
839兆から保有している資産を引いた金額が財政上問題となる借金と考えることもできます。

国の財政状態については、いつか日本国の財務諸表というテーマで取り扱おうと思っていますので、しばらくお待ち下さい。



これ以上国債残高が増えたら財政が破綻すると考えている政府は、
「小さな政府」にするために「郵政民営化」を主張しています。


なぜ「郵政民営化」が「小さな政府」につながるのかについて書くと
話が長くなりそうです。


そこで、全4回の郵政民営化シリーズを急遽1回増やしたいと思います。
題して「入口改革、出口改革」です。


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